ハセツネ惨敗

 今年のハセツネは32km地点、西原峠にてリタイアだった。情けない、情け無いと思うけど、そうしてしまった。原因は何か大きなものがあるわけではなく、細かいものが重なっただけ。怪我などの自分外の要因ではなく、あくまで自分の意思(の弱さ)でリタイア。

 今年はちゃんとしたトレーニングが昨年より1ヶ月遅かった。それでも直前にはそれなりに走れてきているつもりはあった。まぁ「つもり」だっただけなわけなんだけど。で、スタートしてからゲートを潜るまでは昨年と同じ1分30秒。そこからは派手に抜きにかかりはしなかったけど、できるだけ前に出ようという意思はあった。

 1時間半で入山峠の階段にたどり着く。相変わらず渋滞で、アスファルトの道路にぐるっとU字で並んでいる。上位陣はここで渋滞なんて全く無くて、そんなのは体験したこともないとか。階段を登るところでカウンタ持っている人がいて、順位を教えてもらった。1042番だった。え?千?目を疑った。例年第1関門の順位は500〜600位くらいだったので、ここでもそれくらいと思ってたから。これまでの入山峠のタイムが残っていないので、これまでのペースが速いのか遅いのかもわからなかった。今熊山の登りでノンストップだったのでそれなりに流れているのかと思っていた。

 ここで焦るが、焦ったからと言って渋滞を抜け出せるわけでもない。地道に休まずに流れに乗るしかない。それにしても暑い。その後もいつもと同じかちょっと速いかも、くらいと思いながら進む。しかし入山峠が7kmで1時間半。第1関門は22kmくらいだから、3倍して4時間半…それは遅い。ま、まぁ最初は渋滞したりとかしたから…。そして醍醐丸(15.2km)で3時間ちょっと。う、ペース変わってない…。生藤山(20km)でもう4時間くらいだった。できれば4時間以内で第1関門…と思っていたのに…第1関門はまだか?まだか?と焦る。時間も時間、だいぶ暗くなってきてライトが必要か?とも思えてきた。点け始める人もちらほら。でも「第1関門でライトを」と思って我慢。だけどなかなか着かない、焦る。

 速報によると、結局4:31:51、773位で第1関門へ。おっと、1分半前に岡部さんがいたようだ。会えなかったけど。補給をし、ライトを準備し、twitterの書き込みをし、夜装備に着替える。と、ここで雨が降ってきた。えー、マジかよ。というわけで雨具も取り出す。これらで10分くらい休んでいたようだ。そんなにかけてたのか…。

 第1関門を出てすぐ、いきなりの斜面がもうズルズル。雨のせいというか、当日朝までの雨のせいなんだろうけど。ここまでのトレイルは雨の影響をほとんど感じ無かったのだけど、ここに来てこの泥々な道。これはやばい。滑って滑って、まともに登ることが出来ない。第1関門までのタイムを考えても、絶対に自己記録の更新は無理だと悟った。第1関門までは、タイムが遅くても昨年のルートミス分で挽回できるかと思ってたのだけど。

 そういえば第1関門でもリタイアの声をけっこう聞いた。まだ関門を出て数分しか経ってないけど、リタイアを思った。たしか西原峠とか言ってたな…。どこだっけ?

 記録が狙えないのなら、完走目標にするか…。完走、か…。まぁもう既に2回は完走しているんだよな…。雨の中のオリエンテーリングはそれなりに燃えるものがあって楽しいんだけど、雨の中のトレイルランは全然面白くない。足場が悪すぎて気持よく走れない。斜面も全然登れないし、こんなんで三頭山登れるのか…?と考え始めてしまい、モチベーションが一気に失われた。リタイアしよう。

 リタイアするために進んでいた。ずっと言い訳のようなことを考えていた。そんな状態だから、何度も休んだ。平地でもまったく走らない。歩くペースも遅い。どんどん抜かれる。西原峠、西原峠…。約28km地点の笛吹峠(うずしきとうげ)で大休憩。西原峠まであと4kmと知る。ここでトップは大岳山だったらしい。果たして僕が西原峠にたどり着くのとどちらが速いのか。ここで木村さんに会う。リタイアする旨を話す。ポールがないとやはり今日は厳しい、と慰めてもらう。
 西原峠まで4kmだから1時間くらいか、と思ってたけど、遠い遠い。1時間で着かなかった。75分くらいかけて、ようやく西原峠にたどり着く。すぐにリタイアを申告し、テントで休む。しばらくしてもう1人のリタイア者が現れ、一緒に下山。これも1時間弱かかった。この下山はいろいろお話しながら降りられたので良かった。これが気難しい人だったらさぞ辛い下山になっただろう。そして待っていたバスに乗り、会場へ。

 バスの中では、いろいろ原因を考えていて、もうトレランはいいかな、なんて思ってた。会場に帰って、ゴールする人を見ていた。そして山田高志くんに会った。雄哉がそろそろ来るということで、一緒に待っていたり話をしたり。ゴールする人を見ていると、みんないい顔をしてゴールする。あぁ、いいなぁ。僕もこんな顔をしてゴールしたいな、と思った。クロマニオンズの小畑さんがサブ10でフィニッシュした。こんなすごい人だったんだ。西尾くんもゴール。こんな状態だからさすがに良い記録ではなかったようだけど、やっぱり凄い。そしてだいぶ待ったけど、雄哉もフィニッシュ。初参加で試走も無しで11時間半はやっぱり素晴らしい。

 今回も、ジェルを飲んでドリンクを飲んで、それで気持ち悪くなってきた。前回ほどではなかったけど、微妙にその気配がした。寒さは感じていなかったので、これはジェルとかドリンクが合わなかったのか。しかしジェル無しでこの距離時間はできない。ドリンクの味が最初から変に感じた。これはハイドレが良くなかったのか?それが原因だったのか?

 体力は…体力というよりも足の筋肉が無かった。登れない。確かに登り用のトレーニングはしていなかった。走れるようになってきたといっても、それは平地でのトレばかりだった。ならばこんな結果も当たり前である。

 ちゃんとトレーニングして、ジェルとかドリンクとかは試走で試してみたりして最適を導き出せば、ちゃんとタイムを狙った完走はできそうな気がする。だけど…どうしようか。今はまだ考えたくない。ただ、もっと強い身体は欲しいし必要だと思った。トレーニングは続けよう。


そういえば、今回のハセツネにはオリエンテーリングやっている高校生が何人か出ていた。今順位を調べたら、みんなちゃんと完走している。凄いなぁ。とくに桐朋の佐藤雄太郎くんはオリエンテーリングのために今は陸上部にも入っているという。でも、聞いた話では長距離は走っておらずせいぜい10kmとかだということなので、さすがにこの長距離は厳しいかな、と思ってた。だけど、14時間5分ほどでフィニッシュしている。これは凄い。