ハセツネ2009

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ハセツネ(長谷川恒男)カップ 日本山岳耐久レース オフィシャルサイト

記録とラップ

とりあえず速報より

目標 2005 2007 2009
CP1(22.66km) 4:06:15−4:19:35 4:16:39(418) 4:41:29(883) 4:05:02(636)
CP2(42.09km) 8:25:34−8:56:19 8:55:49(304) 9:08:43(670) 8:20:41(570)
CP3(58.00km) 12:26:41−13:16:29 13:33:52(630) 12:03:18(477)
FINISH(71.5km) 14:32:43−15:31:43 15:45:03(614) 14:13:50(498)

昨年が男子総合570位だったので密かに500位以内を狙っていたのですが、男女合わせてでも500位以内にギリギリ入ることができた。やったね。ちなみに男子総合では459位だった。上に40人くらいは女性がいる。

ハートレート


スタートまで

 朝6:38出発。7:20に駅前駐車場に着くもすでに満車。前から考えていたように帰って電車で行くことに。ここで保険証書忘れたkと尾に気づく。危ない危ない。

 受付を済ませ、荷物を置きに。とりあえずもう体育館はいっぱいだろうから小学校の外に銀マット敷いて陣地とする。ブースを覗く。防風の手袋がないかな?と回る、結局「トレッキングなど用」という手袋をさかいやブースで購入。もちろん赤。今回はウェアも靴も赤で、salomonの広告のように赤い彗星を目指す。いや、できれば紅い稲妻のほうがいいんだけど。

 外に出て田濃さんと遭遇。その陣地にお邪魔することに。柳下さんにも会えて、ちょっとだけお話。スタート時間が近づくと周りにいた人たちが荷物とともに消えてきた。なんだ?荷物だけ体育館に避難させるのか?たしかにこのままだと防犯上危険ではあるけど。

 12:30 開会式はいつもと何かレイアウトが変わっていた。スタート順の並びも。「今年からは『このタイムなら十分に完走できる』というところに並んでください」とアナウンス。ふむ、そんなの守る人がいれば、今までだってもっと違った結果になっていたはずだが。村越さん、木村さんに会う。あまりに天気が良すぎて暑い。直射日光の下に30分もいられない。と日陰に避難。ここで岡部さん・田中さんに会う。昨日の話では走らないとのことだったと思ったのに何で?と思いつつ。

 そして13:00ちょっと前、12時間の半分より後ろのところに並んでスタートを待つ。

スタート〜第1関門 4:05:02

 スタートの合図から5秒くらいで動き出し、ゲートをくぐったのは1分40秒後。この最初での位置取りやがんばりでその後の展開が大きく変わるので少し頑張る。走れそうなところは走り、抜けるときは抜いて。それでもやっぱり渋滞ははまるんだけど、大体常に動き続けている感じ。最初の頃、微妙に頭が痛い。昨日も熱っぽさなんかを感じたので不安になる。市道山前の渋滞は無いと思ったら道路部分に列を並ばせているだけだった。いつもなら山の中で止まっていたのに。

 醍醐丸とか、名前はいくつか覚えたものの、それぞれが何キロ地点なのか分からなかったので今どれくらいなのかが良く分からない。渋滞は相変わらず。下りは走るが、登りになるとすぐ止まる。渋滞の先頭が見えないくらい並んでいる。これでは無理して抜いても仕方ない。大体1列で並んで進んでいるんだけど、時々2列になれる箇所(渋滞の始まり)がある。そこまでの登りなんかで抜いたはずのおばちゃんがこの2列になるときにするするーっと前に出てきて抜いていく。何だか車の渋滞のときに路側帯を走っていく車を見る気分。なんだかな。


 結局ほぼ予定通りの4:05:02で第一関門。着いたときに名前を呼ばれびっくりしてみると田中さんだった。そうか、走るんじゃなくて応援に来たんだ。そういえばクロマニオンズの人も何人か見た。補給し、twitterに投稿し、長袖に着替え、トイレに行ってまたスタート。今度は岡部さんもいた。声援をもらって元気がアップ。体力的にもまだまだ余裕。

第1関門〜第2関門 8:20:41(4:15:39)

 ここには最大の難所といっても過言ではない三頭山がある。大体4時間で第2だから、まぁ後半2時間くらいだよな、と。

 今回のライトは優秀で、まだ完全に暗くなる前はヘッドライトも1段階落とした状態で十分だった。しばらくして最高輝度にしたが、あまりハンドライトの必要性を感じなかった。下りで少しスピード出す場面では不安になりハンドライトの出番。登りは歩くのでハンドライト必要なし。このパターンがわかった。

 30km地点、役員に距離を確認すると「30km、あとたったの41キロ」と言われた。まだこの頃は僕にも余裕があって心の中で「ハッハ、余裕余裕。あとフルマラソン1回くらいか」と思ってた。最初にハセツネに出た2005年はこの30km地点はかなり消耗していてまだ30kmということに愕然としたものだ。


 西原峠を過ぎ、さぁいよいよ三頭山だ、と思って登り続ける。ここはもうみんなゾンビ状態。グロッキーになりながら淡々と登っていく。脇にそれて休憩する人も多くなってきた。山頂はまだなのに平地や下りが始まりあれあれ?なんで?まだ山頂じゃないよな?下るってことはそれ以上に登るんだよな?とかなり不安が高まる。どうやらこの最初の登りは大沢山という山だったらしい。三頭山避難小屋でずっと応援してくれるおっちゃんにお礼をいい、今度こそ三頭山アタック。

 三頭山のあとは地獄の九十九折下りだ、と思ってたらそこまでは僅かな間があった。何だか3回目ともなるといくつかの知っているポイントはあるんだけど、頭の中のそれと実際のそれとがだいぶ食い違っていて精神的に良くなかったかと。鞘口峠からはまた登り。この頃になると渋滞もなく自分のペースで走れる区間が増えてくる。近づくと脇にそれてくれる人も多い。

 第2関門の前には一度ほんのちょっとだけアスファルト道路に出るところがある。で、今回もアスファルトに出たのだが、案内が何も無く、役員もいなかった。あれ?この道どっちに行けばいいんだ?すぐ前を走る女性に「これ、こっちでいいんでしたっけ?」と聞く。「え?えっと…。」別の男性が聞く「分かる人いますか?僕の後ろから来た人が言う「こっちでいいんですよ、一度道路に出てまた山に戻るはずです」そして4人で走り出す。

 しばらく走るも、何も出てこない。他のランナーも前にも後ろにもいない。さすがに「おかしくないですか?」と僕。「…ですよね。」と4人で引き返す。ここまで下り基調の道路だったので引き返す心が重い。歩きを交えながら進むと役員らしき人たち(応援の人だったのかも)から声をかけられた。で、やっぱり道を間違えていたようだ。ていうか山からアスファルトに出るまでの道で間違えていた?そんな分岐あったかな?とりあえずアスファルトをそのまま進むと前に行っていたうちの2人と合流。この2人は初参加らしくかなり不安になっている。一緒に進む。そして再び山に入る地点に来た。そこからコース復帰。結局すべてのロスは距離1.5〜2km、20分といったところか。まぁ仕方ないと思うも、この20分がかなり痛かった。


 目標8時間のところを8時間20分で第2関門。まさにあの20分がそのまま響いた感じだ。補給、防寒着の用意、twitterの更新を行う。

 この時点で少々問題が発生。補給食は今回全てゼリー・ジェル系を用意していた。パワージェルは前回わりと気に入った梅味を4袋、あとはグリーンアップルとミックスフルーツを2袋ずつ。そしてカーボショッツのワイルドビーンズを4袋、コーラ味を2袋。前回まではパワーバーも持っていたがその食べにくさから今回はパス。これでいけると思っていた。しかし僕は普段コーヒーを運転中に飲むが、飲みすぎると気持ち悪くなってくる。それを忘れていた。ワイルドビーンズ味はつまりコーヒー味。そしてたしかにコーヒーの味がした。第2関門の前にはもうコーヒーの味が口やお腹にたまっていて、どうにも水が欲しかった。

 給水はCCDを水で溶かした2リットル。第2関門で給水してもらおうとハイドレーションパックを取り出すとまだ1リットル残っている。ここまで1リットルしか飲んでなかったんだ。…だったらこのまま最後まで間に合うな。しかし水は飲みたい。どうするか。ダメもとで給水の役員に給水はいらないがコップ1杯水をくれないかと頼んでもらった。もらえた。コップも見えるところにあったし。

第2関門〜第3関門 12:03:18(3:42:37)

 この補給食の問題は第2関門を過ぎた頃はまだ良かったが、その後どんどん悪化。疲れからか、もう意が受け付けなくなっていた。そして飲料もこれまたまずく感じて飲めなくなった。もちろんそれで最後まで持つわけがないから無理やり飲み込む。しかしその直後から気持ち悪くなってくる。コレはヤバイ…。

 第2関門のあとには2つの大きな登りがある。御前山と大岳山だ。わかってはいたがキツイ。この辺りの登りで最後のグリーンアップル味を消費。もうあとはワイルドビーンズか梅かコーラしかない。大ダワでトイレに行き、さぁ出発するかと思うと見たことのある渋谷で走る会のウェア。あ、ひょっとして…と声をかけると真理子さんだった。知っている人と話すとやっぱり元気出るしテンション上がる。

 しかし大岳山までは辛かった。岩場に来る頃にはもうグロッキー状態。山頂ではしばらく座り込んでいた。他の参加者と役員の話を何と無しに聞いていた。「もうあと3時間かからないだろう。14時間狙える。」そのタイムは今の僕には絶望的に思えた。そして時計を見て、スタートから11時間11分経ったとき、僕は立ち上がった。

 もう何も食べれない。飲みたくも無い。それでも飲むと気持ち悪くなる。水、水、水が欲しい。水場はどこだっけ?川の音がする。この辺りにあるのか?もう緩やかな下りもほとんど歩いている。何とか走ると幾つかのライトが止まっていた。水場だ!とりあえず手ですくって飲む。うまい。爽やかだ。でもさすがに生水っぽさがある。少し生き返る。

 この辺りだともうほとんど1人。たまに追いついたり追い抜かれたり。

第3関門〜フィニッシュ 14:13:50(2:10:32)


 関門に着くと「おぉ、宮城島!」と声をかけられた。児玉さんだった。こ、ここでも役員ですか…。椅子に座り、背もたれに寄りかかると気持ちよすぎて動けない。しばらくすると真理子さんが来た。僕には気づかないようだ。真理子さんがスタートしてからしばらくして何とか僕もスタートした。しかしもう走れない…。寒い。

 前回はここから日の出山まではあっという間だった気がした。しかしこれがまた長かった。御岳神社を過ぎたところで応援の人たちが火を焚いていた。思わず駆け寄り少し当たらせてもらう。あったかい…。これで少し回復した。やっぱり身体が冷えていたから気持ち悪かったのかな。

 日の出山に着く。これで大きな登りはもうないはず。残り11kmしかない。ここからはガンガン飛ばしていく記憶がある。フィニッシュではナンバーカードが見えてないとダメだから上着を脱いだ。あと11kmだし、走れば暖まるだろう。これが失敗だった。

 やっぱり身体は冷えてしまい、気持ち悪さがこみ上げてくる。また、右足の親指上が痛くて、何度も靴を脱いでポキポキ鳴らした。これでとりあえずは治るんだよな。とりあえずまだ元気な頃に真理子さんを抜く。軽く声をかけ、頑張ってねーと言われて先へ進む。しかし気持ち悪くなったあとは急激にスピードダウン。そして何回か休んでいるときに真理子さんに再び抜かれた。向こうは気づいていないだろうけど。

 日の出山を出たとき、これは14時間きれるんじゃないか?と思った。ここでの経過時間は12時間48分。あと5kmの地点におじさんがいるはずだ。そこまでのタイムで判断できるだろう。30分でそこまでで行ければ、大丈夫だろう。13時間15分もしくは20分…。それくらいだったら…。

 なかなかあと5kmが出てこない。ひょっとして今年はいないのか?もう過ぎたんじゃないのか?そう思っていたが看板は姿を現した。おじさんはいなかった。ここで13時間30分だった。ここまで6kmを45分かかっている。あと5kmを30分…。キロ6分のペース、普段の平地だったら楽勝なのに…。ここで14時間は諦めてしまった。もう走れない。歩く。しかし歩いて5kmは辛いくらいに遠い。なんとか走ったり歩いたり。

 残り3kmくらいか、橋が出てきて、いよいよゴールが近づいたのを実感。アスファルトのくだりも出てきた。これがキツイ。役員がいる。あと2km、と。しかしその2kmがずっとこの地獄の下りか…。ライトを振っている役員が見えた。下りもこれで終わりか!やっと嬉しくなる。あと500mと言われる。時計を見る。これなら14時間15分でゴールできる。前回より1時間半短縮だ。役員じゃない人が応援してくれている。チラッと見ると知っている顔。え?と見ると鹿島田さんだった。最後の声援をもらい、ゴールへ。前回とはまた違った喜びがあった。

おわった。

ゴール後

 とりあえず上だけ着替えて、冷えた身体を何とかしようと豚汁をもらいに。そこであの「第2関門手前で一緒にルートミスした人」を発見。声をかけてしばらく話す。僕よりも1分くらい速いゴールだったようだ。豚汁を食べている間も気持ち悪さは治らず、これはもう横になったほうがいいと判断。食べかけの豚汁を返し、寝床へ。上着を追加し、寝袋に入り込む。しかしやっぱり寒い…。

 起きているのか寝ているのかわからない状態が続いたが、やっぱり気持ち悪く、それと戦っていた。吐き気が頂点に達し、起き上がってコンビニ袋を探すも間に合わず、嘔吐。水っぽいものしかなかった。これはCCDとかジェルなのか?さっきの豚汁なのか?口周りが汚いものの、すこしだけスッキリ。また寝込む。

 少しして田濃さんも帰ってきた。前は18時間とか言っていたけどまだ周りは暗い。これは大幅にタイム更新なんじゃないか?と思うもやっぱり寝る。


 5時50分ごろに起き出し、荷物をまとめ、帰路へ。ゴールではまだランナーが続々と帰ってくる。日が昇ってからのゴールと言うのも、1日かけてレースという感じでかなりの感動がありそう。そのワイワイムードからひっそりと離れ、疲労と気持ち悪さを引きずって駅へ。

 電車を乗り継いで乗り継いで。ずっと気持ち悪かった。駅からアパートまでタクシーを使おうかとも真剣に考えた。最後の足取りは、ほう本当に疲れ果てていた。

 腹は減っている。でも駅に行く直前にかった水も少し飲んだら気持ち悪さが増した。(冷たさが良くなかったんだと。)何か食べてもまた吐いてしまいそうだった。そんな状態で何が食べられるのか。所沢駅のホームで立ち食いそばの匂いが魅力的だった。そばは食べられるだろうか?1度ベッドで暖かくして寝れば食べられるように回復するのか?こういうときは…そうだ、おかゆだ。

 コンビニにより、アパートに帰って久しぶりに風呂に湯を張り、ゆっくりつかる。身体が温まる…。おかゆは食べることができた。うまい。これでようやく、ハセツネが終わった。

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この記事を書いた人

静岡県静岡市清水区在住のウェブサイト運営者。ネット上ではc-miya、orefolderなどの名前で活動しています。

ストレスに弱いので、できるだけ好きなことだけをして生きたいと思いながら生活しています。「楽しい」が優先順位の一番上に来るようにしたいですね。

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